マンションの外壁塗装ナビ

マンションの外壁塗装ナビへようこそ

殆どのマンションは、鉄筋コンクリートで建てられています。
この鉄筋コンクリートで建てられているマンションは、
どのくらいの耐久性があるのでしょうか。

 

鉄筋コンクリートで建てられているマンションの耐久性を知る手段として、
鉄筋コンクリートの耐久性を知る必要があるのですが、
なかなか、このことについて明快に記載されているものが見つかりません。

 

ある文献では、鉄筋コンクリートの耐久性は60〜70年と書かれています。
ですが、コレは本当のことなのか・・・不明です。

 

1904年造 佐世保のポンプ場

 

日本ではじめて鉄筋コンクリートで建物が建てられたのは、
1904年(明治37年)のことです。
建てられた建物は、海軍が佐世保に造ったポンプ場だそうですが、
100年以上経った今では、そのポンプ場は残っていないので、
100年前の鉄筋コンクリートの耐久性がどのようなものなのかを知ることが出来ません。

 

理論的に考えれば、鉄筋コンクリートの耐久性は、
鉄筋がどの程度錆びるかによって決まると考えられるでしょう。
そして、コンクリートの強度は、何年経ってもあまり変化はなく、
問題となってくるのは鉄筋だけだと考えられ、
鉄筋が錆びなければ耐久性は数百年、或いは半永久的だということができるのです。

 

 

1932年造 東京銀座の和光(旧服部時計店)

 

東京で最も有名な建物の一つに「和光(旧服部時計店)」があります。
和光は、銀座4丁目に建てられている建物で、
完成したのは1932年(昭和7年)、鉄筋コンクリート造です。

 

完成から80年ほど経っていますが、
ガス灯通りに面した外壁の石の一部に損傷箇所がみられるものの、
その損傷は戦災による近隣の火災の影響であり、
正面は昭和初期の建物とは思えないほど立派に見えます。

 

しかし、2008年(平成20年)に、
耐震補強工事と内装の全面リニューアル工事が施工されました。
ただ、この工事は数十億円がかけられましたが、
建物の鉄筋コンクリートの耐久性に全く問題がないという判断に基づいたものです。

 

つまり、躯体内部の鉄筋は全く錆びていないため、
「和光」の耐久性は、あと数百年、或いは半永久的ということになります。

 

 

1911年造 三井物産横浜ビル

 

三井物産横浜ビルは、横浜の日本通りに面して1911年(明治44年)に一部が完成しています。

 

この三井物産横浜ビルは、建築関係者に
「日本に現存する最古の鉄筋コンクリート」として知られている建物です。

 

外壁にタイルを張ったこの建物は、100周年を迎えましたが、
現在はテナントビルとして使用され、「かくしゃくたる現役」として形容されています。

 

タイルの一部は張り替えられていますが、大部分は当時のタイルのままです。

 

三井物産横浜ビルも、平成18年から19年にかけて、耐震補強工事が施工されました。
このとき、柱のコンクリートの表面の一部が撤去され、
鉄筋を露出させてみたそうですが、鉄筋は殆ど錆びていなかったとのことです。

 

コンクリートの中性化深さは、平均50mmで、
露出している鉄筋はすべて中性化領域にあります。

コンクリートの耐久性が60〜70年という説はウソ!?

 

和光や、三井物産横浜ビルの100年経っても「殆ど鉄筋は錆びていない」という事実により、
一般に言われている鉄筋コンクリートの耐久性が60〜70年という説は、
まったく説得力がないものとなっています。

 

 

鉄筋コンクリートの耐久性の研究

 

鉄筋コンクリートの実用化が始まって、20年ほど経った大正時代には、
鉄筋コンクリートの耐久性の研究が始まり、既に論文で鉄筋の発錆が指摘されています。

 

1928年(昭和3年)に、東京大学浜田稔博士の、
建築関係者にはよく知られているコンクリートの中性化速度実験式が発表されました。

 

この実験式によると、中性化深さが30mmに達するのは約65年と推定されるので、
建築基準法で、鉄筋に対するコンクリートのかぶり厚さを30mmと規定する根拠となっています。
そして、鉄筋コンクリートの耐久性は、60〜70年といわれる根拠にもなっています。

 

ただ、この実験に用いられたテストピースは、
屋外に露出された打ち放し状態のものです。

 

つまり、実験式は打ち放しのコンクリートを前提としていますから、
仕上げ材の種類によって全く異なる結果になります。

 

また、昭和初期では、鉄筋コンクリートが実用化して
20数年しか経っていません。
耐久性を実例で検証することはできず、
実験は推定で行われたということになります。

 

 

鉄筋コンクリート造の建物が100年経って分ったこと

 

鉄筋コンクリート造の建物が100年経ち、その建物を見て分ったことは、
コンクリート中の鉄筋は、水が浸透しなければ錆びないということです。

 

現在の年再生機構の旧住宅公団のアパートは、
昭和30年代に建てられたもので、順次建て替えをしていますが、
解体しているアパートで調べてみると、
鉄筋は雨水が浸入している部分を除いては全く錆びていません。

 

建て替えの理由としては、鉄筋コンクリートの耐久性が問題となっているわけではなく、
別の理由があります。

 

その理由とは、耐久性は物理的寿命ともいえますが、
狭く、設備が老朽化していること、高層化して土地を有効に使う必要があること、
物理的寿命ではなく社会的寿命または経済的寿命などで、
このことが、建て替えの理由となっています。

 

鉄筋コンクリートの寿命とは

 

鉄筋コンクリートは、鉄筋が錆びると体積膨張が生じます。

 

体積膨張とは、コンクリートが押し出されて破壊する現象で、
一般的には爆裂、或いは鉄筋露出などと呼ばれている現象で、
国際的には腐食損傷と呼ばれている現象です。

 

鉄筋が発錆すると、断面減少が生じ、構造耐力が低下し、
一定の断面減少が生じれば、鉄筋コンクリートの寿命が来たとみなされます。

 

ですが、現実に、このような物理的寿命が来て建物が建て替えられたことは殆どありません。

 

外部の腐食損傷でコンクリートが落下するなどのことはありますが、
室内の壁や天井のコンクリートが腐食損傷によってバラバラと落ちてくる例はありません。

 

コンクリートの中性化は、外部よりも室内のほうが炭酸ガス濃度は高いことから、
早くなることは知られています。
ですが、現実には、室内の中性化深さが鉄筋位置より深く進行していても、
鉄筋は錆びていません。
つまり、鉄筋の錆がコンクリートの中性化だけでは生じないということです。

 

三井物産横浜ビルの例でも、このことが証明されています。

 

 

塗膜防水層で雨水の浸透を防ぐ

 

鉄筋、つまり鉄が錆びるということは、鉄が酸化するということです。
酸化は、水と酸素の作用によって引き起こされるので、
水が浸透せず、水と酸素が供給されなければ鉄の酸化も生じません。

 

完全に遮断するためには、水と酸素を通さない塗料のようなもので、
かつ割れないもので、分厚く塗ることが必要です。

 

日本建築学会をはじめとした建築業界では、
割れないもので分厚く塗ることができる材料を「塗膜防水材」と呼んでいます。

 

東京工業大学建築物理研究センターの田中享二教授のグループが、
一連の研究で「塗膜防水材」の膜厚が概ね0.5mmあれば、
炭酸ガスを完全に遮断し、コンクリートの中性化が防止できることを証明しています。

 

炭酸ガスを完全に遮断するとは、空気を遮断することであり、
塗膜防水層は、防水すると同時に酸素も遮断します。

 

外壁などを塗膜防水材で防水し、雨水が浸透しないようにすれば、
ひび割れなどのコンクリートの欠陥部からの漏水を防ぐことができ、
それだけでなく鉄筋コンクリートに半永久的な耐久性を期待することもできます。

 

「品確法」という法律が「漏水」という用語を使用せず、
「雨水の侵入」としているのは、
雨水の侵入を防げば鉄筋の発錆を防ぐことが出来、
鉄筋コンクリートの耐久性を向上させる目的があります。