マンションの外壁塗装ナビ

マンション新築時の外壁耐久性の想定

マンション外壁の仕上げの変化

 

マンションの原型は公団アパートです。

 

初期の公団アパートの外壁は、コンクリートの表面にモルタルを塗り、
その上からセメントリシン吹き付けで仕上げていました。

 

このモルタルは40〜50年の耐久性を想定し、
表面ノセメントリシンの耐久性は20年程度を想定していました。

 

1960年代になり、初期の分譲マンションが建築され始めました。

 

その頃、コンクリートの型枠がせきせき板と呼ばれていた型枠から、
コンパネと呼ばれるベニヤ型枠に転換しました。

 

ベニヤ型枠になってからは、モルタル塗りをする必要がなくなり、
直接打ち放しのコンクリートの上に
吹き付けタイルや樹脂り新と呼ばれる吹き付け材を吹き付けるなど、
仕上げ材も多様化しています。

 

スタッコと呼ばれるセメント系の材料を吹き付ける仕上げも、
一部に使用されました。

 

1970年代後半になると、タイル張りが普及し始め、
今では、マンションはタイル張りでないと売れないという状況になっています。

 

現在は、バルコニーや廊下の手摺壁外側や妻壁など、
目立つ外壁はタイル張りで、その他の外壁などを吹き付けタイルで仕上げるのが主流です。

 

マンション外壁の仕上げはこのように変化してきています。

 

仕上げ材を大きく分けると、
タイルと吹き付け材・塗装材に分けられます。

 

タイル張り

 

タイル張りは、現存する最古の鉄筋コンクリート造の
「三井物産横浜ビル」にも使用されているように、
明治時代から木造の建物の内装材として、
或いはレンガ造の外装仕上げ材として使用されていました。

 

レンガ造にもタイル張りをしたのかと
疑問を持つかもしれませんが、例えば、東京駅は鉄骨レンガ造で、
外壁は構造用レンガの上に厚さ15mm及び35mmの仕上げ用レンガ、
つまりタイルを張っています。

 

解体された「旧丸ビル」も鉄骨レンガ造にタイル張りでした。

 

このように、当時からタイル張りは100年の耐久性があると考えられ、
実際に三井物産ビルのタイルはこれを実証しています。

 

1923年の関東大震災で、レンガ造の殆どが崩壊したことにより、
その後は鉄筋コンクリート造が急速に普及し、
その外装仕上げ材も殆どがタイル張りになりました。

 

ただ、タイル張りは、部分的に生じる「浮き」や「ひび割れ」が避けられません。

 

確かに100年という耐久性がありますが、
良好な状態で維持するには、補修に相当なコストが必要です。

 

そういった意味で、タイル張りは高級ということができます。

 

1970年代以降、分譲マンションが建てられるようになってからのタイル張りは、
今までのタイル張りの方法とは異なり、
ベニヤ型枠が普及しコンクリートの精度が向上したこともあり、
モルタルは部分的に塗り、圧着張りと呼ばれる3mm前後の厚さの
接着モルタルで貼り付ける方法に変わりました。

 

接着モルタルには、SBR樹脂などを加えることにより、
接着性を向上させています。

 

ですが、圧着張りでも100年の耐久性があるか?
という点については、まだ分っていません。

 

吹き付け材・塗装材

 

吹き付け材・塗装材の耐久性は、タイル張りに比べるとかなり短く、
20〜30年と考えられます。

 

1970年代初めに、
「京王プラザホテル」が新宿副都心の第一号超高層ビルとして建てられています。

 

この京王プラザホテルは、
吹き付け材で仕上げたプレキャスト板を取り付けた外壁の代表的な建物です。

 

この吹き付け材は、20年ほど経過した頃撤去され、
リニューアルされています。

 

砂を吹き付けるサンドプラストと呼ばれる方法で全面的に撤去し、
「塗膜防水材壁用」で塗り替えました。

 

このように、吹き付け材・塗装材では、
撤去する必要があるかどうかは別としても、やがては塗り替えが必要になります。

 

マンションは12年ほどの間隔で、大規模修繕工事を行うのが定着しています。

 

つまり、吹き付け材・塗装材は、
限界になる20年という耐久年数を迎える前に、
10年を過ぎたら塗り替えるというのが常識になっています。