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鉄筋が発錆して露出している箇所の補修方法

鉄筋が発錆して露出している箇所の
補修方法についてみていきましょう。

 

まずは、鉄筋コンクリートの発錆の原因です。
発錆は、その原因を予防すれば防ぐことができ、
建物の強度を維持することができます。

 

 

鉄筋コンクリートの腐食損傷が起きる過程

 

鉄筋コンクリートは、内部の鉄筋が錆びて、
その外側のコンクリートが損傷し、故障してしまうことがあります。

 

これは、一般に爆裂、或いは、鉄筋露出と呼ばれる現象で、
国際的には腐食損傷と呼ばれています。

 

コンクリートの内部の鉄筋が発錆すると、体積が膨張し、
その際に生じる圧力によってコンクリートが押し出され、
破壊し、ひび割れになります。

 

ひび割れすると、水分と酸素がひび割れ部分から侵入し、
発錆は加速度的に進みます。

 

すると、コンクリートは欠落し、鉄筋が露出する破壊現象になります。

 

鉄が錆びて酸化鉄になると、体積は2.5倍になります。

 

腐食損傷とは、この体積膨張の過程で発生する膨張の圧力により、
コンクリートが押し出されている現象です。

 

鉄筋が発錆して酸化鉄になると、その部分は強度を失うので、
構造材としての鉄の断面が減少します。

 

結果、構造耐力が低下し、一定以上の断面減少が生じれば、
鉄筋コンクリートの寿命がきたとみなされます。

 

このようなことから、鉄筋の発錆を防止することが、
鉄筋コンクリートの耐久性を確保するための基本になります。

 

既に鉄筋の発錆が生じている場合は、適切な補修を行う事が必要です。

 

鉄が錆びる過程

 

鉄筋、つまり鉄が錆びるのは、鉄が酸化するという化学現象です。

 

鉄筋表面に目には見えない微小な結露が生じ、
その水滴の中を微弱な電流が流れ、
結果、電子が移動し、鉄と活性酸素が電子を共有する結合を引き起こします。
鉄の酸化はこのような電気化学的な反応で、
水と酸素が存在しなければ生じない反応です。

 

つまり、水と酸素を遮断すれば、鉄の酸化現象は生じません。

 

 

鉄筋露出が生じている場合の補修方法

 

鉄筋露出が生じている場合の補修の基本は、
鉄筋表面に防錆剤を塗布し、欠損部を復旧することです。

 

現在使用されている材料は、大きく分けると
「ポリマーセメントモルタル系」と「エポキシ樹脂系」の2種類です。

 

(1) ポリマーセメントモルタル系

 

ポリマーセメントモルタル系は、
防錆剤としてポリマーセメントペーストと呼ばれるセメントを主成分に、
アクリル樹脂エマルションなどを加え、ペースト状にした材料を使用します。

 

欠損部の復旧には、ポリマーセメントモルタルと呼ばれるセメントと
硅砂などの骨材の主成分に水とアクリル樹脂エマルションなどを加え、
モルタル状にした物を使用します。

 

(2) エポキシ樹脂系

 

エポキシ樹脂系は、防錆材としてプライマーを兼ねた
低粘度のエポキシ樹脂を使用します。

 

欠損部の復旧は、軽量エポキシ樹脂モルタルと呼ばれる材料を用います。

 

軽量エポキシ樹脂モルタルは、エポキシ樹脂に砂粒の大きさのガラスバルーンと呼ばれる
中空のガラス球を砂の代わりに加えたものです。

 

軽量エポキシ樹脂モルタルの比重は、0.9ほどで、
普通のセメントモルタルの比重が2.4ほどであることから、
比較するととても軽量です。

 

このように、軽量エポキシ樹脂モルタルはとても軽く、
水にも浮くほどで、廊下、バルコニーなどの揚げ裏や天井など
塗布するのに固まる前に落下することがない便利な材料です。

 

軽量エポキシ樹脂モルタルの厚さは、数mmまたは10数mmの厚さで、
その中間に防錆材として、浮き注入などで使用する
高粘度のエポキシ樹脂を1mm厚さ程度に塗布することもあります。

 

軽量エポキシ樹脂モルタル、または高粘度のエポキシ樹脂を
一定の厚さに塗るのは、厚さ1mm程度に塗布したエポキシ樹脂の塗膜が、
炭酸ガス、つまり空気を遮断するガスバリヤー性に
優れているという試験結果に基づいています。

 

鉄筋の発錆を防止するには、水と酸素を遮断することが大切です。

 

ポリマーセメントモルタル系とエポキシ樹脂系を比較して、
鉄筋露出部と補修材としてどちらが優れているかというと、
透気性や透水性のあるポリマーセメントモルタル系より、
透気性や透水性が殆どないエポキシ樹脂系のほうが優れています。

 

また、発錆している鉄筋の周りの中性化しているコンクリートには、
アルカリ性の水溶液を塗布し、アルカリ性を復元する必要があるという考え方もあります。

 

ですが、鉄筋の発錆を防止する、或いは抑制するためには、
どうしても水と酸素の遮断が必要で、有効であることに代わりはありません。

 

コンクリートの中性化が進行したとしても、
水と酸素を遮断すれば発錆は進行しませんから、
アルカリ性の復元を目指す必要はありません。

 

さらに、鉄筋の発錆は、
コンクリートのかぶり厚さが不足していることが原因になっているため、
鉄筋裏面のコンクリートをはつり、鉄筋を叩き込んだ後に、
モルタル塗りをしてかぶり厚さを確保したり、
部分的に凸状になってもモルタル塗りをして
かぶり厚さを確保する必要があるという考え方もあります。

 

ですが、これも、水と酸素を遮断すれば、鉄錆は防ぐことが出来るので、
かぶり厚さが不足していても発錆の進行は抑えられます。
つまり、モルタル塗りをしてかぶり厚さを確保する必要はありません。

 

鉄筋露出箇所を補修し、仕上げ材として「塗膜防水材外壁用」を吹き付ける場合、
または、ローラー塗りをする場合は、
膜厚が0.5mm以上あれば、水と酸素を遮断することが可能です。
ですから、この場合は、補修材としてポリマーセメントモルタル系を使用しても問題ありません。