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外壁の汚れを落とす方法

塗装・吹付け材で仕上がった外壁で汚れを落とす場合の目的は、
大きく分けると「大規模修繕の間の汚れ落し」と、
「大規模修繕工事の一環としての汚れ落し」の二つが考えられます。

 

(1) 大規模修繕の間の汚れ落とし

 

大規模修繕のサイクルの中間にあたり、前の大規模修繕から5〜6年経った頃、
次の大規模修繕はまだ5〜6年先だけれど、汚れが目立つ部分が気になるので
何とかしたいという場合の、外壁の汚れ落しです。

 

廊下や手摺壁の廊下側の面などでは、
雨水の汚れが気になる部分もありますが、
この場合の汚れは、水洗いをするだけで十分に落ちます。
このような場所の水洗いは、ブラシを使用するか、
或いは高圧水仙機を使用するかのどちらかの方法になります。
高圧水洗機は、80〜120kgf/cu程度の水圧で、
業務用としては一番小型のものになりますが、
この水洗機で十分洗い流すことが可能です。

 

(2) 大規模修繕工事の一環としての汚れ落し

 

大規模修繕工事の一環で、
塗装工事の下地処理として汚れを落とす場合の汚れ落しです。

 

この場合の汚れを落とす方法としては、
高圧水洗機を使用する高圧水洗が一般的です。

 

高圧水洗は、汚れを落とすのと同時に
既存仕上げ材の脆弱部分を除去する目的で行う場合があります。

 

1950年代から1960年代に多用されたセメントリシンや
アクリル樹脂リシンなどが劣化した状態で、
その上に塗装或いは吹付け材を吹き付けると、
下地となる既存仕上げ材の劣化した部分から剥がれる形で、
新しい塗装や吹付け材が剥がれてしまうことがあります。

 

そのようなことがないように、
高圧水洗は、ケレン(下地をきれいにする)目的で行われます。

 

 

高圧水洗機について

 

雨水筋などの汚れの場合、80〜120kgf/cu程度の水圧の高圧水洗機の使用で
十分に汚れが落ちます。
つまり、単に汚れが落ちれば良いということであれば、
このレベルの高圧水洗機で十分です。

 

しかし、痰なる汚れ落しではなく、
ケレン処理を目的として洗浄を行う場合の汚れ落しは、
脆弱部が残ってしまってはいけませんし、
目で見ただけでは汚れが残っているかどうかを知ることが出来ませんから、
とても丁寧な水洗が必要になります。

 

タイル面の汚れを落とす場合は、一般に足場が必要です。
足場は大規模修繕の際に組み、丁寧な洗浄を行うということになります。

 

タイルの汚れ

 

タイルの汚れの原因は、大きく分けると3種類あります。

 

(1) ホコリなどの微粒子

 

ホコリなどの土の微粒子に、
大気汚染物質の車の排ガスに含まれる微粒子などが混ざって、
タイルに付着し汚れたものです。

 

都市部のビルの外壁では、この汚れが多いです。

 

この一般的なタイルの汚れは、中性洗剤を使用して、
ウエス拭きと高圧水洗を併用することで
きれいに落とすことが可能です。

 

(2) 目地からの水分

 

目地からの水分がにじみ出て汚れが生じます。

 

目地モルタル、接着モルタル、または躯体コンクリートに浸入した雨水が、
モルタルやコンクリートに含まれる石灰分を溶かし、
外壁面ににじみ出る部分に結晶を作ります。

 

この結晶が汚れです。

 

この汚れを「白華(はっか)」または「エフロ(エフロレッセンス)」と呼びます。

 

セメントと水が反応して生成する物質の30%ほどは、水酸化カルシウムです。
水酸化カルシウムの性質には、水に溶けるというものがあります。
溶けてにじみ出た水が蒸発すれば、水酸化カルシウムは炭酸ガスと反応し、
炭酸カルシウム(白華)に変化します。
白華(炭酸カルシウム)は水に溶けません。

 

白華は、白っぽい色をしていて、ひび割れ部に生じるのが普通です。

 

ひび割れが生じる部分はひび割れの上の部分、
或いはそのほかのどこからか雨水が浸入してにじみ出ている部分です。

 

この白華の汚れは、高圧水洗で落とすことは不可能です。

 

分厚く付着している場合は、物理的に革すきなどを使用して除去し、
酸洗いできれいに落とします。

 

汚れが軽いものは酸洗いだけで落とすことができます。

 

また、汚れが強い場合は、ナイロンたわしでこすって落とすこともあります。

 

(3) シリコーン系シーリング材

 

シリコーン系シーリング材によっても外壁に汚れが生じます。

 

シリコーン系は、ガラス周りのシーリング材として使用されることがあります。

 

超構想ビルなどでは、ガラスとガラスの接合部に、
一般的に用いられている材料で、耐久性はとても優れています。

 

また、シリコーン系は、帯電性があり、ホコリを吸着する性質がありますし、
含まれている低分子のシリコーンオイルが表面にでてきて
壁面が雨水でぬれると油膜となり、広い範囲に広がって、
雨水が蒸発した後、油膜が壁面に残ってしまいます。

 

さらに、この油膜にも帯電性があるので、
大気中の微粒子を引きつけ、汚れの原因となります。

 

例えば、換気口のフード廻りなどは、
設備工事の一環として充填するシーリング材でシリコーン系を使用することが多いです。
すると、その周辺が汚れやすく、汚れが目立つようになります。

 

シリコーン系の汚れは、中止洗剤を使用し、ウエス拭きと高圧水洗を併用して落とします。
ですが、油膜はこの方法では除去することができません。
一年近くでまたもとの状態に戻ってしまいます。
油膜を除去するためには、特殊な溶剤が必要です。

 

油膜まできれいに除去するには、超高圧水洗という特殊な方法があります。

 

超高圧水洗の水圧は1500kgf/cuととても高圧で、
ノズルを接近すればコンクリートでも切断することができてしまいます。

 

石の表面にビラのノリが何層にも重なっている、
石の落書きなど、落ちにくいものを落とす事もできます。

 

超高圧水洗は、国会議事堂の外壁の石のクリーニングにも使用されました。