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目地シーリング材の必要性

目地シーリング材の打ち替えは、何のために必要なのでしょうか。

 

シーリング材の役割

 

シーリングとは、サッシやドアなどの建具とコンクリート外壁が接する部分などに目地を設け、
シーリング材と呼ばれる材料を充填する事をいいます。

 

シーリング材は、充填する作業を行う時は軟らかい粘土状です。
ですが、一日経つとゴム状になり、硬化します。
とはいっても、消しゴムのようなレベルの硬さです。

 

建具とコンクリートの外壁など、材料が違えば動きが異なります。
ですから、接合部はモルタルなどを詰め込んでも隙間が生じやすいので、
ゴム状の材料を充填することによってこれを防いでいます。

 

シーリング材は防水機能がある、防水材の一種としての役割も果たしています。

 

シーリング材は、建具廻りだけでなく、コンクリート打ち継ぎ目地や、
ひび割れ誘発目地と呼ばれる目地などに充填されています。

 

また、目地のシーリング材は、屋上防水と同じように露出しているものと、
吹付け材や塗料などで被覆されている非露出の場合があります。

 

シーリング材の劣化現象は、ひび割れと剥離に大きく分けられます。

 

専門用語では、ひび割れは「凝集破裂」、剥離は「接着破壊」と呼びます。

 

凝集破裂(ひび割れ)

 

凝集破裂は、紫外線によってプラスチックが劣化する現象と共通しています。

 

シーリグ材には色々な種類がありますが、
ポリサルファイド系、または変性シリコーン系のいずれかを露出で使用しています。

 

10年くらい経つと表面にひび割れが生じたり、部分的な剥離を生じることがあります。

 

この劣化現象が生じたシーリング材の補修方法は、
「撤去打ち替え」という方法になります。

 

ビード

 

サッシにガラスをはめ込んでいる廻りの目地には、
塩化ビニール製のビードと呼ばれるひも状の材料が詰め込まれていることがあります。

 

ビードは成型品であることから、シーリング材とは別の
ガスケットの一種として取り扱われていますが、
ビードには収縮する性質があるので、入り隅が外れるなどの不具合が起きる事があります。
その場合、これを撤去し、シーリング材を充填する改修をします。
ビードよりシーリング材のほうが耐久性が高いので、
有効な改修法であるといえます。

 

シリコーン系

 

ガラス廻りの目地には、シーリング材のうち、シリコーン系が使用される事もあります。

 

シリコーン系は、超高層ビルなどでガラスとガラスの接合部に使用されているもので、
耐久性にはとても優れます。
しかし、帯電性があり、ホコリを吸着する性質があることから、
含まれている低分子のシリコーンオイルが壁面に広がり、
この油膜に汚れが付着してしまいます。

 

シリコーン系を清掃しやすい場所で使用するには支障がありませんが、
清掃しにくい場所では汚れが気になります。

 

ポリウレタン系

 

ポリウレタン系は、塗装または吹付け材などの仕上げ材で隠ぺいする目地に限定し、
使用するのが建築業会の常識となっています。

 

日本建築学会仕様書「JASS 8.防水工事」に露出での使用に適さないと記載しています。

 

もし、露出で使用すれば、5年ほどでひび割れが生じてしまいます。
(ポリサルファイド系または変成シリコーン系が10年程の耐久性があります)

 

撤去打ち替え

 

撤去打ち替えは、カッターナイフで充填されているシーリング材を切断して撤去し、
新規にシーリング材を充填する方法です。

 

切断して撤去といっても、シーリング材が全く残らないように撤去するのはとても難しいことです。
ですから、接着している部分が少し残ってしまうのはやむを得ないと考えられています。

 

新しく充填するシーリング材は、既存のシーリング材と同じポリサルファイド系、
もしくは変成シリコーン系です。

 

以前は、既存の材料と同じものを新規のものに交換することが多かったのですが、
最近は、ポリサルファイド系を撤去し、変成シリコーン系に交換する例も増えています。

 

変成シリコーン系がもっとも多く販売されているというのは、
必ずしも耐久性に差があるというわけではなく、
ポリサルファイド系を撤去し、変成シリコーン系に交換する事が増えているからです。

 

ポリサルファイド系を撤去し、変成シリコーン系に交換するなど、
異なるシーリング材に対する接着性は、
プライマーと呼ばれる前処理的に塗布する材料の性能で左右されます。

 

メーカー各社は研究を重ね、確実に接着するものを用意し販売していますし、
各メーカーのマニュアルにも、シーリグ材を充填する前に、
必ずプライマーを塗布することが記載されています。

 

非露出のシーリング材

 

露出状態ではなく、吹付け材や塗料などで被覆されている非露出のシーリング材は、
ポリウレタン系を使用するのが一般的です。

 

材料が低価格というのが、ポリウレタン系を使用する最大の理由です。

 

非露出の部分は、シーリング材の紫外線劣化は少なく、
10年程度では撤去打ち替えを必要としません。
むしろ、その上の塗料塗り替えで、十分な耐久性を期待できるでしょう。

 

ただし、降雨のたびに塗れる状態の目地のシーリング材は、
非露出の場合でも、ひび割れや剥離が生じてしまうことがあります。

 

充填されているシーリング材を撤去し、打ちかえる場合は、
吹付け材や塗料ごと充填されているシーリング材をカッターナイフで切断撤去し、
新しいシーリング材と交換します。

 

この場合に使用するシーリング材は、
既存と同じポリウレタン系を使用することが殆どです。

 

ポリウレタン系を使用するのは、低コストでもあり、
ブリードと呼ばれる現象が生じるのを防ぐことが出来るというのも理由です。

 

ブリード

 

ブリードとは、シーリング材に含まれている可塑剤が、
吹付け材や塗料に移行し生じる現象で、
シーリング材の上の吹付け材や塗料が、
褐色またはグレー色に変色し、表面がべたつく状態になることをいいます。

 

防水性にはあまり影響はありませんが、意匠上の不具合になるので、
改修する際には対策が必要です。

 

ただ、最近は、ブリードが生じないノンブリード形ポリウレタン系が使用されています。

 

2000年以前に施工されたシーリング材は、ポリウレタン系でも、
ブリードが生じるものが使用され、
ポリサルファイド系または変成シリコーン系は現在でもブリードが生じるものが使用されています。

 

これを防止するために、塗装塗り替えの前処理として、
ブリード防止剤(2成分形エポキシ樹脂)を用意している塗料メーカーもあります。