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タイルのひび割れの補修方法

コンクリートのひび割れは、乾燥収縮と温度変化の伸縮が関係しています。

 

コンクリートにひび割れが生じると張っているタイルにも、
やがてひび割れが生じます。
そして、このひび割れは、漏水原因になることがあり、
剥落の原因にもなりますし、
見た目の印象としてのグレードダウンも招きます。

 

コンクリートのひび割れは、
はじめから例えば0.3mm程度のひび割れが生じるわけではありません。

 

コンクリートの乾燥収縮は、2年間程度に渡って進行する性質がありますが、
生じた直後は幅0.1mm程度であっても、
コンクリートの乾燥が進むと収縮も進行し、
次第に0.3mm程度に成長してしまいます。

 

また、タイルのひび割れの中には、
コンクリートのひび割れの発生とほぼ同時に生じるものと、
後から生じるものがあります。

 

幅0.1mmを超えるようなタイルのひび割れは、
コンクリートのひび割れと同じくらいに起きるとかんがえられていますから、
コンクリートのひび割れ幅が0.05mm程度であれば、
タイル及び接着モルタルは伸びて持ちこたえることができ、
タイルにはひび割れが生じないで済む場合があります。

 

タイルや接着モルタルは殆ど伸び性能を持たない材料ですが、
それでもわずかに伸びる性質も持っています。

 

コンクリートのひび割れは、温度変化によって幅の変化が起きます。
幅の変化によって、タイルや接着モルタルにくり返しの力が働き、
くり返しの力が働くことによってタイルや接着モルタルが疲労し、
引っ張り強さが次第に低下して、やがて剥がれます。

 

タイルのひび割れには、コンクリートのひび割れからかなり時間が経ってから
生じるものもあります。
例えば、10年ほど経ってからタイルの表面に現れるなどです。
この種のひび割れは、幅が0.01mm程度と、とても狭い特徴があります。

 

タイル補修の実際

 

タイルのひび割れの補修は、
塗料や吹付けデ仕上げることができませんから、
コンクリートやモルタルのひび割れの補修方法とは異なり、
その方法は限られます。

 

現在行われているタイルの補修方法には、
1. タイル撤去Vカットシーリング工法
2. エポキシ樹脂注入工法
3. 弾性エポキシ樹脂注入工法
4. タイル専用仕上げフィルム張り工法
があります。

 

1. タイル撤去Vカットシーリング工法

 

タイル撤去Vカットシーリング工法は、
ひび割れのあるタイル周囲の目地をディスクカッターで切断し、
タイル及び接着モルタルをはつり撤去します。

 

撤去箇所に現れたコンクリートのひび割れをディスクカッターで、
幅と深さがそれぞれ10mm程度の溝を造り、
シーリング材を充填して防水補修します。

 

さらに、モルタルを塗布して下地を造り、
接着モルタルで新規タイルを張って復旧します。

 

新規タイルは、色の違いが目立ってしまうことがあります。
また、目地モルタルが色違いになることもあります。

 

タイルは特注で焼いても、同じ色がでることはほぼないといって良いでしょう。

 

ですが、目地モルタルは色を合わせることができますから、
手間を惜しむべきではありません。

 

 

2. エポキシ樹脂注入工法

 

エポキシ樹脂注入工法は、
ひび割れの内部にエポキシ樹脂を注入し充填する工法です。
コンクリートのひび割れの補修方法と同じような方法です。

 

「低圧エポキシ樹脂注入工法」の一種として普及しているのは、
注射器のような形状の器具に輪ゴムを掛け、自動的に注入する方法です。

 

注入した樹脂がひび割れ表面から流れ出さないようにするため、
仮シール材と呼ばれる材料でひび割れを塞ぐ必要がありますが、
仮シール材は注入したエポキシ樹脂が固まった後に除去します。

 

ただ、エポキシ樹脂を注入してもひび割れ跡が見えなくなるわけではなく、
見た目の印象としてのグレードダウン感は解決できません。

 

また、0.1mm以下のひび割れには注入が難しいです。

 

 

3. 弾性エポキシ樹脂注入工法

 

弾性エポキシ樹脂注入工法は、「エポキシ樹脂注入工法」のデメリットを改善した工法です。

 

コンクリートのひび割れの補修方法と共通し、
2成分形の硬くなるエポキシ樹脂に代えて、
エポキシ変成シリコーン系と呼ばれる材料を注入します。

 

この材料は伸び性能を持つ1成分系の樹脂ですから、
エポキシ樹脂注入工法と比べると、ひび割れ追従性があります。

 

注入する器具は2〜3種類あり、
ひび割れ表面から数mm程度の深さの範囲に注入します。

 

ただ、エポキシ樹脂を注入した場合と同じように、
エポキシ変成シリコーン系を注入してもひび割れ跡が見えなくなるわけではなく、
見た目の印象としてのグレードダウン感は解決できません。

 

また、0.1mm以下のひび割れには注入が難しいのも、
エポキシ樹脂注入工法と同じです。

 

 

4. タイル専用仕上げフィルム張り工法

 

最近実用化した工法に「タイル専用仕上げフィルム張り工法」があります。

 

タイル専用仕上げフィルム張り工法は、
フイルム表面に見本のタイルに合わせて調色した塗料を吹き付け、
一見してタイルと見分けがつかないフィルムを作ります。

 

このフィルムは、タイルのサイズに打ち抜き、
離型紙から剥がして、ひび割れが生じたタイル表面に貼り付けます。

 

タイル及び目地部分のひび割れに、
弾性エポキシ樹脂注入工法で注入することを
タイル専用仕上げフィルム張り工法の前処理として行います。

 

フィルムは、アルミ箔が挟まれていて、
20年程度の耐久性があると推定されます。

 

表面は紫外線で劣化し、退色することがあるかもしれません。

 

色違いが目立つようになった場合は、
12年後の大規模修繕時に張り替えるものと割り切ると良いでしょう。